品質管理

連関図とは|書き方と読み方・特性要因図との違い

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この記事でわかること

  • 連関図の意味と、使う場面・使わない場面
  • 書き方の6つの手順と、中央集中型・一方向集中型の違い
  • 矢印の数と影響範囲から主要因を読む方法(Excel対応)
  • 特性要因図・なぜなぜ分析との使い分け

📌 前提知識:新QC七つ道具とは|7手法の使い方と図の作り方で7つの手法の全体像を押さえておくと理解しやすくなります

組立ラインで部品の取り違えが月に12件起きています。特性要因図を描いてみると、「ラベルが読みにくい」は材料の枝に、「照明が暗い」は環境の枝に、「補充の箱が違う」は方法の枝に分かれて並びました。どれも正しそうです。ただ、照明が暗いからラベルが読めず、ラベルが読めないから補充で箱を間違える、というつながりは、枝の上では見えません。

要因どうしがからみ合っている問題では、要因を別々の枝に置くと、どこを直せば全体が良くなるのかが分からなくなります。要因と要因を矢印でつなぎ、因果の順番を1枚の図で整理するのが連関図です。この記事では、書き方の手順と、図から主要因を読み取るところまでを追います。

連関図を使う場面

連関図は、問題(結果)とその要因、要因どうしの関係を矢印でつなぎ、因果関係を整理する手法です。新QC七つ道具の1つで、連関図法とも呼ばれます。次のような場面で使います。

  • 要因どうしが影響し合っているとき。ある要因が別の要因の原因にもなっている問題です
  • 対策を打っても再発するとき。途中の要因をつぶしているだけで、その手前にある根本の要因に届いていないおそれがあります
  • 複数の部署がかかわる問題のとき。部署ごとの要因が互いにつながっていることを、1枚の図で共有できます

NG例(△)として、要因が単純に並ぶだけの問題なら、特性要因図とは|書き方のルールと作り方・記入例のほうが速く、見やすくまとまります。また、何が問題なのかがまだ決まっていない段階では、連関図は描けません。先に親和図などで問題を1つに絞ります。

書き方の6つの手順

  1. 問題を1つ決めて書く:「部品の取り違え(月12件)」のように、事実と数字の入った形にする
  2. 一次要因を出す:「なぜその問題が起きるのか」を問い、直接の要因をカードに書く
  3. 「なぜ」を繰り返して要因を広げる:一次要因ごとに「なぜ」を問い、その手前の要因を書き足す
  4. 要因どうしを矢印でつなぐ:「原因 → 結果」の向きで矢印を引く。別の枝にある要因どうしでも、関係があればつなぐ
  5. 全体を見直す:矢印の向きが逆になっていないか、抜けている要因がないかを確かめる
  6. 主要因を選んで検証する:矢印の出入りと影響範囲から主要因の候補を選び、記録やデータで確かめる

特性要因図と違うのは手順4です。特性要因図では、1つの要因は1本の枝にしか置けません。連関図では、1つの要因から何本でも矢印を出せます。別の枝どうしをつなぐ矢印が、連関図でしか見えない情報です。

図の配置には2つの型があります。問題を中央に置いて要因を周りに広げる中央集中型と、問題を右端などの片側に置いて要因を反対側へ広げる一方向集中型です。どちらを使っても中身は同じなので、要因の多い問題は中央集中型、流れを左から右へ読ませたいときは一方向集中型、という程度に選べば十分です。

作成例|部品の取り違え(月12件)

冒頭の問題を、班長・作業者・生産技術・品質保証の5人で連関図にしました。出てきた要因は11個です。

記号要因
Z部品の取り違え(月12件)=問題
A形の似たワッシャーが2種類ある
B部品箱のラベルが読みにくい
C夜勤の照明が暗い
D現場の作業標準書が古い
E文書の改訂と配布のルールが決まっていない
F新人への教え方が人によって違う
G教える内容の基準がない
H補充した部品が違う箱に入る
I置き場所の表示がない
Jラベル・色分けなど識別のルールが決まっていない
K取り違えを検出する仕組みがない

要因どうしを「原因 → 結果」でつなぐと、矢印は16本になりました。

原因結果つながりの中身
AZ似ているので組付けで取り違える
AH似ているので補充でも箱を間違える
BZラベルで確かめられない
BH補充担当もラベルを読み違える
CB暗いとラベルが読めない
JBラベルの大きさや色の決まりがない
JI置き場所に何を表示するかの決まりもない
IHどの箱に入れるかが表示されていない
HZ違う部品が入った箱から取る
ED改訂しても現場の紙が差し替わらない
EG教育資料も管理の対象になっていない
DZ古い手順どおりに組む
DF古い標準書で教える
GF教える人が自分のやり方で教える
FZ教わったやり方が人によって違う
KZ間違えても次の工程で気づけない

特性要因図では、CとBは「環境」と「材料」の別の枝にいました。連関図にすると、C → B → H → Z という1本の流れになっていることが分かります。

図から主要因を読む

連関図では、矢印の出入りで要因の性格を読みます。

  • 入る矢印がなく、出る矢印だけの要因:いちばん手前にある要因で、根本の原因の候補
  • 入る矢印が多い要因:いろいろな原因が集まってくる中継点で、影響の大きい重要要因と呼ばれる。ここを直すと効き目は大きいが、手前の原因が残ると別の形で再発しやすい

数を数えるには、矢印の表をExcelに入れておくと簡単です。A列に原因、B列に結果の記号を入れると、次の式で求められます。

  • 出る矢印の数:=COUNTIF($A$2:$A$17,"E")
  • 入る矢印の数:=COUNTIF($B$2:$B$17,"E")
要因出る/入る行き着く要因の数
A 似たワッシャー2/02(H・Z)
C 照明が暗い1/03(B・H・Z)
E 改訂と配布のルールがない2/04(D・G・F・Z)
J 識別のルールがない2/04(B・I・H・Z)
K 検出する仕組みがない1/01(Z)
H 補充で箱を間違える1/31(Z)

入る矢印がない要因は、A・C・E・J・Kの5つです。このうち、矢印をたどって行き着く要因がいちばん多いのが、EとJの4つずつでした。「行き着く要因の数」は、その要因から矢印を順にたどって届く要因を数えたもので、直したときに影響が及ぶ範囲の目安です。

読み取れることは3つです。まず、入る矢印が3本と最も多いHは中継点です。補充のときにダブルチェックを入れればHは減りますが、AやJが残る限り、組付けの場面で同じ取り違えが起きます。次に、Aの「似たワッシャー」は部品を変えれば消えますが、設計変更が要るうえ、届く範囲は2つだけです。そして、EとJはどちらもルールが決まっていないという管理のしくみの問題で、直すと4つの要因にまとめて効きます。

ただし、連関図で選んだ主要因は、まだ仮説です(手順6)。そこで、12件の記録を調べ直しました。補充した直後の箱で起きたものが5件、標準書の改訂後に古い手順で組んだものが4件、その他が3件でした。Jの経路(補充)とEの経路(改訂)で9件、全体の75%です。図の読みと記録が合ったので、JとEを主要因として対策に進むことにしました。

対策の展開には系統図を使い、仕組みで止める対策の考え方はポカヨケとは|人のミスを止める仕組みと現場の事例で解説しています。

特性要因図・なぜなぜ分析との違い

原因を探す図はいくつかあり、形と得意な問題が違います。

手法図の形向く問題
特性要因図魚の骨(枝分かれ)。要因どうしはつながない要因を漏れなく広く洗い出したい
なぜなぜ分析1本の鎖(なぜを縦に掘る)1つの現象の真因まで深く掘りたい
連関図網の目(要因どうしを矢印でつなぐ)要因がからみ合い、どこから直すか決めたい

特性要因図で要因を広く出し、からみ合いが見えたら連関図に描き直す、という使い方もできます。1本の鎖を深く掘る方法はなぜなぜ分析のやり方|5回のなぜで真因にたどり着く手順で解説しています。

よくある失敗

  • 矢印の向きがそろっていない。「原因 → 結果」と「結果 → 原因」が混ざると、出入りの数が意味を持ちません。引くたびに「AだからBになる」と読んで確かめます
  • 何でもつないで網が真っ黒になる。「少しは関係がある」まで矢印にすると、全部の要因が主要因に見えます。直接の因果があるものだけをつなぎます
  • 要因のカードがあいまい。「管理が悪い」「意識が低い」では、何とつながるのかが決められません。「〜が決まっていない」「〜が〜で読めない」のように具体的に書きます
  • 図だけで主要因を決めてしまう。矢印の数は、描いた人の知識の偏りも映します。例のように、記録やデータで確かめてから対策に進みます

よくある質問

Q. 連関図と特性要因図の違いは何ですか?

A. 要因どうしをつなぐかどうかです。特性要因図は、要因を大骨・小骨の枝に分けて広く洗い出す図で、別の枝の要因どうしはつなぎません。連関図は、要因どうしも矢印でつなぐため、ある要因が別の要因の原因になっている関係まで表せます。要因がからみ合った問題には連関図が向いています。

Q. 主要因はどう選べばよいですか?

A. 入る矢印がなく出る矢印だけの要因が、根本の原因の候補です。その中でも、矢印をたどって多くの要因に行き着くものは、直したときの影響が広くなります。ただし図は仮説なので、記録やデータで確かめてから主要因に決めます。

Q. 何人くらいで作ればよいですか?

A. 決まりはありませんが、問題にかかわる部署から3〜6人ほど集まると作りやすくなります。連関図の強みは、部署をまたいだ要因のつながりが見えることです。1つの部署だけで作ると、その部署から見える矢印しか引けません。

Q. QC検定ではどう問われますか?

A. 新QC七つ道具の1つとして、ほかの手法との使い分けが問われやすいところです。「原因と結果、目的と手段などが複雑にからみ合った問題について、その関係を矢印で結んで整理する手法はどれか」のように、目的から手法名を選ばせる形が典型です。7つの手法の違いは新QC七つ道具の総論記事で整理しています。

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まとめ

  • 連関図は、問題と要因、要因どうしを「原因 → 結果」の矢印でつなぎ、因果関係を整理する新QC七つ道具の手法
  • 特性要因図では見えない、別の枝どうしのつながりが見える
  • 入る矢印がない要因が根本の原因の候補、入る矢印が多い要因は中継点
  • 例では16本の矢印から、行き着く要因が4つずつあるE(改訂と配布のルール)とJ(識別のルール)を選び、記録12件のうち9件(75%)がその経路と確かめた
  • 図は仮説。主要因は記録やデータで確かめてから決める

まとめると、要因を広く出すなら特性要因図、1つの現象を深く掘るならなぜなぜ分析、要因がからみ合ってどこから直すか決めたいなら連関図、という使い分けです。中継点を直す前に、そこへ矢印を送っている手前の要因を探してください。

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