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工程能力指数の目安一覧|Cp1.33が合格基準とされる根拠

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この記事でわかること

  • Cp・Cpkの評価目安一覧(0.67〜2.00の5段階と不良率ppmの対応)
  • Cp1.33が合格基準とされる理由(±4σと1σ分の安全余裕)
  • Cpだけ・Cpkだけで判断してはいけないケースとExcelでの確認方法

📌 前提知識:工程能力指数(Cp・Cpk)の計算とExcelでの求め方で計算方法を確認できます

客先の品質監査で「この工程のCpkは1.25です」と報告したら、「1.33を切っていますね。改善計画を出してください」と返された。現場ではよくあるやり取りですが、そもそもなぜ1.33が線引きなのか、即答できる人は意外と少ないはずです。

1.33という数字は慣習ではなく、±4σ(不良率およそ63ppm)に相当し、工程平均が1σ動いても±3σを確保できるという統計的な根拠があります。この記事では、Cp・Cpkの評価目安を一覧表で整理し、1.33の根拠を計算で示します。

この目安を使う場面・前提条件

この記事の目安一覧は、次の条件がそろっているときに使えます。

  • データが正規分布に従っている(歪んだ分布ではCpと不良率の対応が崩れます)
  • 工程が統計的管理状態にある(管理図で異常がない状態。突発異常だらけの工程のCpは意味を持ちません)
  • サンプルが十分にある(少ないデータのCpは推定誤差が大きく、n=30以上が一つの目安です)

NG例も押さえておきましょう。規格が片側しかない特性(真円度・平行度など)にCpをそのまま使う、正規性を確認せずに歪んだデータでppmを見積もる、の2つは判断を誤る典型です。正規性の確認はExcelで正規性を確認する方法で解説しています。

工程能力指数の目安一覧表

Cpと工程の評価、対応する不良率の一覧です。実務の判断はほぼこの表で足ります。

Cp(Cpk) 規格までの余裕 予測不良率 評価と処置
2.00以上 ±6σ 0.002 ppm 十分すぎる。検査の簡素化・規格見直しも検討
1.67〜2.00 ±5σ 0.57 ppm 十分。安全性重視の特性の目標水準
1.33〜1.67 ±4σ 63 ppm 合格。一般的な量産の合格基準ライン
1.00〜1.33 ±3σ 2,700 ppm ぎりぎり。工程管理の強化と改善が必要
0.67〜1.00 ±2σ 45,500 ppm 不足。全数選別+緊急改善
0.67未満 ±2σ未満 4.55%超 大幅不足。工程の抜本見直し

不良率の欄は「Cpがその下限値ちょうどのとき、平均が規格中心にある場合」の両側合計です。たとえばCp=1.00は規格幅がちょうど±3σなので、3シグマルールの「±3σの外側は0.27%」がそのまま2,700ppmに対応します。

なお、この区分は品質管理の教科書で広く使われる一般的な目安です。業界・客先によって要求水準は異なるので(自動車部品では1.67以上を求められることもあります)、最終的には自社の品質協定を優先してください。

Cp1.33の根拠|±4σと「1σ分の保険」

Cpは規格幅と工程のばらつきの比です。

\[C_p = \frac{USL – LSL}{6\sigma}\]

Excelでは標準偏差をSTDEV.S関数で求めて計算します:

=(USL-LSL)/(6*STDEV.S(データ範囲))

Cp=1.33(正確には4/3)を式に入れると、規格幅=8σ、つまり規格中心から規格限界まで±4σになります。ここに2つの意味があります。

1つ目は不良率です。平均が規格中心にあれば、±4σの外側に出る確率は両側で約63ppm(0.0063%)。10万個作って6個程度と、量産で実用上問題ないレベルに収まります。

2つ目が本質で、平均のずれに対する保険です。量産工程の平均は、治具の摩耗・材料ロットの切り替え・季節の温度変化などで、時間とともにじわじわ動きます。±4σの余裕があれば、平均が1σずれても、ずれた側にまだ3σ残る計算です。つまりCp1.33は「平均が多少動いても±3σ管理を維持できる」最低ラインとして設計された基準です。

逆にCp=1.00の工程は、平均が中心にある瞬間は2,700ppmでも、平均が0.5σずれただけで不良率は約6,400ppmに跳ね上がります。余裕ゼロの綱渡りです。

CpとCpkの使い分け|例題で確認

Cpは「ばらつきだけ」を見ており、平均のずれを考慮しません。実際の合否判断は平均のずれを織り込んだCpkで行います。シャフト外径の例で確認しましょう。

規格 10.00±0.15mm(USL=10.15、LSL=9.85)、測定の結果、平均10.03mm・標準偏差0.04mmだったとします。

\[C_p = \frac{10.15 – 9.85}{6 \times 0.04} = \frac{0.30}{0.24} = 1.25\]

\[C_{pk} = \frac{USL – \bar{x}}{3\sigma} = \frac{10.15 – 10.03}{3 \times 0.04} = \frac{0.12}{0.12} = 1.00\]

Excelなら次の2式です:

Cp =(10.15-9.85)/(6*0.04) Cpk =MIN((10.15-10.03)/(3*0.04), (10.03-9.85)/(3*0.04))

Cpは1.25あるのに、平均が上限側に0.03mm寄っているためCpkは1.00。予測不良率は約1,350ppmで、上の一覧表では「ぎりぎり」評価に落ちます。この工程の正しい処置は「ばらつき削減」ではなく平均を規格中心に寄せる調整です。CpとCpkの差が大きいときは中心ずれ、両方低いときはばらつき過大、と切り分けてください。具体的な改善手順はCp・Cpk改善の手順で解説しています。

Excelで不良率(ppm)を確認する方法

Cpの値から予測不良率を確認したいときは、標準正規分布の関数NORM.S.DISTを使います。規格中心に平均があるとき、規格までの距離は3×Cp(σ単位)なので:

=2*(1-NORM.S.DIST(3*Cp, TRUE))*10^6

たとえばCp=1.33なら =2*(1-NORM.S.DIST(4,TRUE))*10^6 ≒ 63ppmと返ります。正規分布と確率計算の考え方は正規分布とは|確率密度関数とExcelで確率を計算する手順で基礎から確認できます。

まとめ

  • 一般的な合格ラインはCp(Cpk)1.33以上。±4σ・不良率約63ppmに相当する
  • 1.33の本質は「平均が1σずれても±3σを確保できる」安全余裕の設計
  • Cp=1.00(±3σ・2,700ppm)は余裕ゼロ。平均が少し動くだけで不良率が跳ねる
  • 合否判断はCpk、原因の切り分けはCpとCpkの差で。差が大きければ中心ずれ
  • 前提は正規性と管理状態。目安の数値より客先との品質協定が優先

ばらつきの評価はCp、平均ずれ込みの実力はCpk、と覚えておけば監査の場でも迷いません。計算方法の詳細は工程能力指数(Cp・Cpk)の計算とExcelでの求め方、数値が基準に届かないときはCp・Cpk改善の手順をあわせてご覧ください。

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