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不良率の計算方法|%・ppm・DPMOの違いと換算

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この記事でわかること

  • 不良率の3つの表し方(%・ppm・DPMO)の計算手順(Excel対応)
  • %とppmの換算と、DPMOが「機会数」を考える理由
  • 単純不良率とDPMOの違い・どちらを使うべきか

📌 前提知識:3シグマとは|68-95-99.7ルールを読んでいるとppmとシグマの関係が理解しやすくなります

客先から「御社の工程、何ppmですか」と聞かれて、社内では「不良率0.15%」で管理しているのに即答できなかった。品質管理の現場で意外と多いつまずきです。不良率は%・ppm・DPMOと複数の単位で語られ、相手や場面によって使う単位が変わります。

同じ工程実力でも、表し方を間違えると数字が10倍以上ずれて見えることもあります。この記事では、3つの表し方の計算方法と換算、そして「機会数」を考えるDPMOと単純不良率の違いを、現場データの例で整理します。

不良率を使う場面・3つの単位の使い分け

まず、どの単位をいつ使うかを押さえておきましょう。

単位 意味 主に使う場面
百分率(%) 100個あたりの不良数 社内の日常管理・不良率が比較的高い工程
ppm 100万個あたりの不良数 客先報告・不良率が低い高品質工程
DPMO 100万「機会」あたりの欠陥数 1製品に検査項目が多い工程・シックスシグマ

使い分けの原則はシンプルです。不良率が低くなるほど%では桁が小さくて扱いにくくなるため、ppmに切り替えます。0.0015%と書くよりも15ppmと書く方が直感的です。そして1つの製品に欠陥の起こりうる箇所(機会)が複数ある場合は、DPMOで機会数まで含めて評価します。

逆に、単純な合否判定だけの工程(1製品=1機会)ならDPMOを持ち出す必要はなく、ppmで十分です。過剰にDPMOを使うと、かえって数字が実態より小さく見えて誤解を招きます。

百分率(%)とppmの計算と換算

不良率のもっとも基本の形は、検査数に対する不良数の比です。

\[\text{不良率} = \frac{\text{不良数}}{\text{検査数}}\]

例として、ある成形工程で12,000個を検査し、18個が不良だったとします。

\[\text{不良率} = \frac{18}{12{,}000} = 0.0015 = 0.15\%\]

これをppmにするには100万を掛けます。

\[0.0015 \times 1{,}000{,}000 = 1{,}500 \, \text{ppm}\]

Excelでは検査数と不良数から直接求められます。A2に検査数、B2に不良数を入れた場合の式です。

不良率(%) =B2/A2*100 → 0.15
ppm =B2/A2*1000000 → 1500

%とppmの換算は「%に10,000を掛けるとppm」と覚えておくと速いです(0.15% × 10,000 = 1,500ppm)。逆にppmを%に戻すときは10,000で割ります。

百分率(%) ppm
1% 10,000 ppm
0.1% 1,000 ppm
0.15% 1,500 ppm
0.01% 100 ppm

この不良率は、統計的には母不良率の推定値です。工程の真の不良率を区間で評価したり検定したりする場合は母比率の検定(不良率の検定)を使います。また不良率を継続的に監視するにはp管理図・np管理図が有効です。

DPMOの計算|「機会数」を数える

DPMO(Defects Per Million Opportunities)は、100万の機会あたりの欠陥数です。ここが単純な不良率との決定的な違いで、「製品の数」ではなく「欠陥が起こりうる箇所の数」を分母にします。

\[DPMO = \frac{\text{欠陥数}}{\text{製品数} \times \text{1製品あたりの機会数}} \times 1{,}000{,}000\]

例えばプリント基板の検査で、1枚あたりのはんだ付け箇所(欠陥機会)が5箇所あるとします。500枚を検査して、欠陥が合計12件見つかったケースを考えます。

総機会数は 500枚 × 5箇所 = 2,500機会。ここから計算します。

\[DPMO = \frac{12}{500 \times 5} \times 1{,}000{,}000 = \frac{12}{2{,}500} \times 1{,}000{,}000 = 4{,}800\]

Excelなら、A2に製品数、B2に機会数/製品、C2に欠陥数を入れた式です。

=C2/(A2*B2)*1000000 → 4800

DPMOを使う理由は、複雑な製品ほど欠陥のチャンスが多いという実態を反映するためです。はんだ付け1,000箇所の基板と10箇所の基板を、同じ「1枚あたりの不良率」で比べると複雑な基板が一方的に不利になります。機会数で割ることで、製品の複雑さによらず品質レベルを公平に比較できます。

DPMOとppmは混同しやすい|同じ例で比較

DPMOとppmはどちらも「100万あたり」なので混同されがちですが、分母が違います。先ほどの基板の例(500枚・5機会・欠陥12件)で、両者を並べてみます。

指標 分母の考え方 計算 結果
ppm(製品ベース) 製品500枚を分母(欠陥12件を不良品数とみなす) 12 ÷ 500 × 100万 24,000 ppm
DPMO(機会ベース) 機会2,500を分母 12 ÷ 2,500 × 100万 4,800 DPMO

同じ12件の欠陥でも、製品ベースなら24,000ppm、機会ベースなら4,800DPMOと、5倍の差になります。どちらが正しいという話ではなく、「何を1単位と数えているか」が違うだけです。報告のときは単位(ppmかDPMOか)を必ず明示しないと、相手が5倍ずれた理解をしてしまいます。

厳密には、1製品に複数の欠陥があり得る場合、製品ベースの「不良品率(ppm)」は欠陥数ではなく不良品の個数で数えるのが本来です。上の24,000ppmは「欠陥1件=不良品1個」と単純化した参考値である点に注意してください。

ppm・DPMOとシグマレベルのつながり

ppmやDPMOは、工程能力の指標とも地続きです。正規分布を仮定すると、規格からの距離(シグマ)と不良率(ppm)は対応します。

シグマレベル おおよその不良率 工程能力の目安
±3σ 2,700 ppm Cp=1.00相当
±4σ 63 ppm Cp=1.33相当
±6σ 0.002 ppm Cp=2.00相当

この対応関係の土台は3シグマルールで解説しています。また、不良率を工程能力指数(Cp・Cpk)の観点から評価する方法は工程能力指数(Cp・Cpk)の計算とExcelでの求め方、Cp値ごとの不良率の目安一覧は工程能力指数の目安一覧(Cp1.33の根拠)にまとめています。

なお、シックスシグマの文脈では「1.5σシフト」を織り込んでシグマレベルとDPMOを対応させる流儀もあり、その場合6σは3.4DPMOとされます。社内外で数字を突き合わせるときは、シフトを含む定義かどうかを確認しておくと混乱を避けられます。

よくある質問

Q. 検査で不良が0件だったら「不良率0%」と報告していい?
A. 「今回の検査では不良0件」と事実を書くのは問題ありませんが、「この工程の不良率は0%」と言い切るのは危険です。たとえば1,000個検査して不良0でも、母不良率が0.1%(1,000ppm)程度あってもおかしくありません。工程の真の不良率を語るなら、母比率の検定・推定で区間をつけて報告するのが正確です。

Q. DPMOの「機会数」はどう数える?恣意的になりませんか?
A. なりえます。機会数を多く定義するほどDPMOは小さく(良く)見えるので、「欠陥として検出・記録しうる箇所」に限定して定義を固定し、関係者(特に顧客と比較する場合)と合意しておくことが大前提です。途中で機会数の定義を変えると時系列比較が壊れる点にも注意してください。

Q. シックスシグマの「3.4ppm」はどこから来た数字?
A. ±6σの理論値(0.002ppm)ではなく、平均が1.5σずれると仮定した場合のDPMOです。長期には工程平均が1.5σ程度動くという経験則を織り込んだ流儀で、シフトなしの理論値とは1,000倍以上違います。社外の数字と突き合わせるときは、1.5σシフト込みかどうかを必ず確認してください。

まとめ

  • 不良率は 不良数 ÷ 検査数。%に10,000を掛けるとppm(0.15%=1,500ppm)
  • 不良率が低い高品質工程や客先報告ではppmを使うと桁が扱いやすい
  • DPMOは製品数ではなく「機会数(欠陥の起こりうる箇所)」で割る。複雑な製品を公平に比較できる
  • ppmとDPMOは分母が違う。同じ欠陥数でも値がずれるので単位を必ず明示する
  • ppm・DPMOはシグマレベルや工程能力指数と対応する

単純な合否判定の工程はppm、1製品に欠陥機会が複数ある工程はDPMO、と覚えておけば単位選びで迷いません。不良率の管理をさらに進めるなら、p管理図・np管理図で時系列の変化を追い、工程能力指数で規格に対する余裕度を評価する流れがおすすめです。

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