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p管理図・np管理図の作り方と見方|不良率・不良個数の管理手順

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外観検査で「今日は不良が多い気がする」と感じても、それが偶然のばらつきなのか、工程に何か問題が起きているのかを判断するのは難しいものです。p管理図・np管理図を使うと、不良率や不良個数の推移を統計的な根拠をもとに監視できます。

この記事では、p管理図とnp管理図の計算手順を、Excelで再現できる例題を使って解説します。X-R管理図(計量値)との違いや、2種類の使い分けも整理します。

p管理図・np管理図とは

管理図には大きく2種類あります。寸法・重量・強度といった連続した数値を扱う「計量値管理図」(X-R管理図など)と、不良個数や不良率のように「合格/不合格」で分類したデータを扱う「計数値管理図」です。p管理図とnp管理図は、どちらも計数値管理図に分類されます。

X-R管理図の基本については管理図(X-R管理図)の作り方と見方で解説しています。管理図を初めて使う場合はそちらもあわせて確認してください。

種類管理する指標サンプルサイズn
p管理図不良率(不良個数÷検査数)一定でなくてもよい
np管理図不良個数(そのままの個数)一定であること

毎回同じ数を検査するならどちらも使えますが、検査数が日によって変わる場合はp管理図一択です。

例題の設定

部品の外観検査ラインを想定します。毎日100個をサンプリングして、傷・欠け・変色などを確認。20日間のデータを使って管理図を作ります。

検査数 n不良個数 np不良率 p
110030.030
210050.050
310020.020
410040.040
510060.060
610030.030
710070.070
810020.020
910040.040
1010050.050
1110030.030
1210060.060
1310040.040
1410020.020
1510080.080
1610030.030
1710050.050
1810040.040
1910030.030
2010060.060
合計200085

p管理図の計算手順

Step 1:平均不良率 p̄ を求める

全期間の不良個数の合計を、全検査数の合計で割ります。\[ \bar{p} = \frac{\sum np}{\sum n} = \frac{85}{2000} = 0.0425 \]

Step 2:管理限界線(UCL・LCL)を計算する

p管理図の管理限界線は、二項分布の性質から導かれます。\[ UCL = \bar{p} + 3\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}} \] \[ LCL = \bar{p} – 3\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}} \]

今回のケース(\( n=100 \))で計算します。\[ \sqrt{\frac{0.0425 \times 0.9575}{100}} = \sqrt{\frac{0.04069}{100}} = \sqrt{0.0004069} \approx 0.02017 \] \[ UCL = 0.0425 + 3 \times 0.02017 = 0.0425 + 0.0605 = 0.1030 \] \[ LCL = 0.0425 – 0.0605 = -0.018 \rightarrow 0(負になるため0に切り上げ) \]

LCLが負になるのはよくあることで、その場合は0として扱います。

Step 3:結果をまとめる

指標
平均不良率 p̄0.0425(4.25%)
UCL0.103
中心線(CL)0.0425
LCL0(計算値は−0.018)

20日間のデータはすべてUCL(0.103)を下回っています。この工程は管理された状態にあると判断できます。

Excelでp管理図を作る手順

  1. A列に日付、B列に検査数n、C列に不良個数npを入力する
  2. D列に不良率p = C/B を計算する(D2セルに =C2/B2 と入力して下にコピー)
  3. E列にp̄を固定値で入力する(=SUM($C$2:$C$21)/SUM($B$2:$B$21) を全行に)
  4. F列にUCLを計算する:=E2+3*SQRT(E2*(1-E2)/B2)
  5. G列にLCLを計算する:=MAX(0, E2-3*SQRT(E2*(1-E2)/B2))(MAX関数で0未満を防ぐ)
  6. D列・E列・F列・G列を選択してグラフ(折れ線)を挿入する

サンプルサイズnが日によって異なる場合も、同じ計算式のまま使えます。F列・G列のnが日ごとに変わるため、管理限界線がギザギザになります(これが正常な挙動です)。

np管理図の計算手順

np管理図はnが一定のときに使います。今回のデータ(n=100固定)はnp管理図の条件を満たしているので、比較のために計算します。

平均不良個数 np̄

\[ \overline{np} = \bar{p} \times n = 0.0425 \times 100 = 4.25 \]

管理限界線

\[ UCL = \overline{np} + 3\sqrt{\overline{np}(1-\bar{p})} = 4.25 + 3\sqrt{4.25 \times 0.9575} \] \[ = 4.25 + 3\sqrt{4.069} = 4.25 + 3 \times 2.017 = 4.25 + 6.05 = 10.30 \] \[ LCL = 4.25 – 6.05 = -1.80 \rightarrow 0 \]

指標
平均不良個数 np̄4.25個
UCL10.30個
中心線(CL)4.25個
LCL0(計算値は−1.80)

p管理図とnp管理図は、単位が「不良率」か「不良個数」かの違いだけで、検出能力は同じです。n=100固定の場合、p管理図のUCL=0.103は np管理図のUCL=10.30個と完全に対応しています(0.103×100=10.3)。

ExcelでのUCL・LCL計算式(np管理図)

F列に =E2+3*SQRT(E2*(1-$E$22))(E列をnp̄とした場合)、G列に =MAX(0,E2-3*SQRT(E2*(1-$E$22))) と入力します。

p管理図とnp管理図の使い分け

条件使う管理図理由
検査数nが日によって異なるp管理図不良率に換算することで比較できる
検査数nが常に同じp管理図またはnp管理図どちらでも可。np管理図の方が直感的
「今日の不良は何個」と個数で報告するnp管理図現場への説明がしやすい
ラインごとに検査数が異なるp管理図ラインをまたいで比較できる

実務では「検査数が変動するかどうか」だけを確認してp管理図かnp管理図かを選ぶと、まず間違いありません。

管理図の異常判定(見方)

管理限界線を外れた点があれば、工程に異常が起きている可能性があります。1点だけでなく、連続した傾向(連続9点が中心線の片側に集まる、など)も異常のサインです。詳しい判定ルールは管理図の異常判定ルール|Western Electric Rulesの読み方でまとめています。

また、管理図に入れる測定データの信頼性を事前に確認したい場合は、ゲージR&R(測定システム解析)の計算手順も参考にしてください。測定器のばらつきが大きいと、管理図が工程のばらつきを正しく反映できません。

まとめ

  • p管理図は不良率を管理する計数値管理図。サンプルサイズが変動しても使える
  • np管理図は不良個数を管理する。サンプルサイズが一定のときに使用
  • 計算式:\( \bar{p} = \sum np / \sum n \)、\( UCL = \bar{p} + 3\sqrt{\bar{p}(1-\bar{p})/n} \)
  • LCLが負になった場合は0として扱う
  • ExcelではMAX関数でLCLの負の値を防ぐ
  • 使い分けの基準は「nが一定かどうか」

工程能力指数(Cp・Cpk)と組み合わせると、工程の実力と管理状態の両面から品質を評価できます。詳しくは工程能力指数(Cp・Cpk)の計算とExcelでの求め方を参照してください。

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