平均検定(Excel)

Excel関数を使って「対応のない2標本のt検定(スチューデントのt検定)」を手動で計算するやり方

記事内に広告が含まれています。

今回は、エクセルを使って”対応のない2標本のt検定”を「データ分析」を使用せずに関数と計算のみで実行する方法を解説します。”対応のある2標本のt検定”とは計算方法がちがうので注意してください。

では早速具体例を用いてエクセルでt検定を実行してみましょう。

≫Excel関数を使って「対応のある2標本のt検定」を手動で計算するやり方

エクセルで関数を使った「対応のない等分散を仮定した2標本のt検定」計算例

ある学校で実施された新しい教育プログラムの効果を評価するためのデータとして、2つのクラス(クラスAとクラスB)のテストスコアを使ってt検定をやってみましょう。

クラスAとクラスBのテストスコアは、互いに独立した2つのサンプル群からのものであり、同じ生徒の前後のスコアを比較しているわけではありません。したがって、「対応のない2標本のt検定」となります。この例では等分散と仮定しています。等分散を仮定しないウェルチのt検定方法はのちほど解説します。

使用するデータ

計算に使用するデータは以下の表になります。1列目にはAクラスの生徒ナンバー、2列目にはAクラスのスコア、3列目にはBクラスの生徒ナンバー、4列目にはBクラスのスコアを示しています。この表をエクセルの”A1セル”に貼り付けてください。

生徒スコア生徒スコア
A175B165
A280B267
A372B366
A468B468
A574B569
A677B670
A773B772
A870B871
A976B973
A1071B1070

ちなみに今回検証するデータの帰無仮説、対立仮説は以下になります。

STEP1.各クラスのスコアの平均値を求める

各クラスのスコア平均値を求めます。
平均値の計算は関数の”AVERAGE”を使います。”E2セル”に”=AVERAGE(B2:B11)””F2セル”に”=AVERAGE(D2:D11)”入力し、それぞれの平均値を算出します。

STEP2.各クラスのスコアの標準偏差を求める

各クラスのスコアの標準偏差を求めます。
平均値の計算は関数の”STDEV.S”を使います。”E4セル”に”=STDEV.S(B2:B11)””F4セル”に”=STDEV.S(D2:D11)”入力し、それぞれの標準偏差を算出します。

STEP3.t値を求める

各標準偏差と平均値、データ数からt値を求めます。
”E6セル”に”=(E2 – F2) / SQRT((E4^2/COUNT(B2:B11)) + (F4^2/COUNT(D2:D11)))”と入力し、t値を算出します。

STEP4.自由度を求める

データの個数から自由度を求めます。
自由度は各データの個数-1なので”E8セル”に”=(COUNT(B2:B11)-1)+(COUNT(D2:D11)-1)”と入力し、自由度を算出します。

STEP5.p値を求める

t値と自由度からエクセルの関数”T.DIST.2T”を使ってp値を求めます。
”E10セル”に”=T.DIST.2T(ABS(E6), E8)”と入力し、p値を算出します。

以上でt検定の計算が完了です。今回の結果ではp値が有意水準(α)を0.05とすると、p値はこの有意水準よりもはるかに小さいため、帰無仮説を棄却します。つまり、クラスAとクラスBの平均スコアに有意な差があると結論付けることができます。

データ分析を使用して確認

エクセルにはアドイン機能でt検定などの分析を自動で実行してくれる「分析ツール」があります。今回のデータを分析ツールを使って分析して確認してみましょう。

手動で計算した結果と同じ値になっているため、正確に計算できていることが確認できました。

≫「分析ツール」を使用する方法はコチラ:”Excelでt検定のやり方を種類ごとに解説”
≫スチューデントのt検定(等分散を仮定したt検定)を詳しく解説

等分散を仮定しないウェルチのt検定について

等分散を仮定しないウェルチのt検定では自由度の計算が異なるため、結果が変わります。

等分散を仮定しないウェルチのt検定計算方法

自由度の計算
1.”E2セル”=VAR.P(B2:B11)/COUNT(B2:B11)…分子1
2.”F2セル”=VAR.P(D2:D11)/COUNT(D2:D11)…分子2
3.”E4セル”=(E2)^2 / (COUNT(B2:B11) – 1)…分母1
4.”F4セル”=(F2)^2 / (COUNT(D2:D11) – 1)…分母2
5.”E6セル”=E4 + F4…分母合計
6.”E8セル”=(E2 + F2)^2 / E6…自由度

p値の計算
1.t値は”対応のない等分散を仮定した2標本のt検定”と同様の方法で計算します。
2.”E12セル”=T.DIST.2T(ABS(E10), E8)…p値

データ分析を使用して確認

念のため「分析ツール」で分析して確認してみましょう。

自由度は手動で計算した結果と少しずれがありますが(小数点の表示方法だと思います)、p値は同じ値になっているため、正確に計算できていることが確認できました。

タイトルとURLをコピーしました