部分配置実験

実験計画法|2水準直交表を例題で解説(交互作用ありの場合)

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実験計画法とは、「多数の実験条件の組み合わせを総当たりまたは一部の組み合わせで実験を行い、最適な条件を効率よく見つける手法」です。

水準の組み合わせを総当たりで行う実験を要因配置実験(二元配置分散分析など)、一部の水準の組み合わせを行う実験を部分配置実験(直交表など)といいます。

この記事では部分配置実験に分類される2水準の直交表(交互作用がある場合)”について解説します。

2水準直交表|L8(27)の因子割り付け方法(交互作用がある場合)

交互作用が”ない場合”と”ある場合”では直交表への割り付け方が異なります。交互作用がある場合は、どの列に交互作用が出るかを考えて割り付けを行う必要があります。ここでは交互作用がある場合の割り付け方をL8(27)を使って解説します。

L8(27)の名称の意味や直交表の見方については”交互作用なしの場合”で説明しています。
また、3水準の場合は”3水準直交表(交互作用ありの場合)”で解説しています。

割り付け方法1|交互作用表を使う

L8(2^7)の交互作用表

一つ目は直交表に付属している交互作用表を使う方法です。この表の見方は、例えば”2列目”と”6列目”との交互作用を求めるときは、”2行目の6列目”の数字を確認します。この場合は”4”になるので、2列目と6列目の交互作用は4列目に出ることがわかります。

割り付け方法2|直交表の成分記号を使う

L8(2^7)成分記号の使い方

二つ目は直交表の成分記号欄を使う方法です。成分記号を使っても交互作用の列を求めることができます。
成分記号欄を使う場合は、以下ルールに従います。

  • 交互作用の出る列は、各列の成分記号の積を持つ列
  • 掛け算で得られた成分記号の2乗は”1”とする(a2=b2=c2=1)

たとえば、1列目(成分記号:a)と2列目(成分記号:b)の交互作用は3列目(成分記号:ab)。2列目(成分記号:b)と6列目(成分記号:bc)の交互作用は4列目(b×bc=b2c=1×c=c)。

割り付け方法3|線点図を使う

L8(2^7)の線点図

3つ目は線点図を使う方法です。線点図の数字は列番号を表します。2つの点を結ぶ線は交互作用を表しています。
たとえば、左図(1)は”点1”と”点2”を結ぶ線に”3”とあるので、1列目と2列目の交互作用は3列目に出ることがわかります。

【例】交互作用ありのL8(27)の実施手順

交互作用ありのL8(27)を使った実験を具体例で解説します。

因子の設定

  • 因子A:粉の種類(A1:小麦粉、A2:全粒粉)
  • 因子B:牛乳の量(B1:少なめ、B2:多め)
  • 因子C:卵の数(C1:1個、C2:2個)
  • 因子D:焼く温度(D1:低温、D2:高温)

実験結果

No.1No.2No.3No.4No.5No.6No.7No.8
味の評価6580758565758090
味の評価は100点満点で評価

【1】直交表の割り付け
 以下のように割り付けを行った。

L8(2^7)の割り付け方(交互作用有の場合)

【2】各要因の平方和、F0を計算

L8(2^7)の例題の計算手順

【3】分散分析表を作成

L8(2^7)の例題の分散分析表
※F値はF分布表から求めた値

【結論】
この分散分析結果から、F値<F0である因子C(卵の数)、因子D(焼く温度)が影響力のある因子であることがわかります。因子A(粉の種類)、因子B(牛乳の量)、B×C、B×Dの交互作用はF値>F0であることから影響が少ないことが示されています。

これにより、完璧なパンケーキを作るには、卵の数、焼く温度が重要であると結論づけられます。

エクセルを使ったF値の求め方

直交表を使う場合はエクセルを使う場合が多いと思います。F値はエクセルの関数で求めることができます。関数は”=F.INV.RT(α, 因子の自由度, 合計の自由度)”です。上記の例(因子A)では”=F.INV.RT(0.05, 1, 7)”となります。

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